役者対談③松本みゆきさん

『天気予報を見ない派』 木下役


森田:らまのだへようこそ~

松本:わーい

南出:ようこそ。

森田:ムズカシイ役を見事に乗りこなしてくださって、ありがとうございます。

松本:そんなことないです!あんまり考えてません…でも疲れはしますね、、

南出:まー確かに難しい役ですね、木下。

松本:森田さんのおかげですよ。石川旅行で森田さんが私の長年の悩みをスパン!と解決してくれたんです。

森田:え?そなの?

松本:そうなんですよ~今まで色んな人に色んな言葉で言われてきたことがストンと落ちた。

森田:確かに、松本さんあの日を境に別人のようになりましたよね。でもごめんなさい、私何言ったか全く覚えてないです。

松本:そこが素敵なんですよ。当たり前にそれを良いとし、求めてくれるから。すごく嬉しいし感謝をしています!!

森田:なんか、無責任でごめんなさいだけど、ありがとうございます。 でも、本当に1つの投げかけに対しての松本さんの返球が多くて、今回稽古がとても楽しいです。

松本:私も日々発見があって、とてつもなく繊細で大変だけど楽しい。

森田:こんなこと言っちゃー何だけど、今までいろんなところで松本さん観たけど、今回はすごいよ!今までに見た事のない新たな松本みゆきを観れていて、私幸せなのです。本当、繊細な作業だよね。

松本:昨日の稽古とかあまりにも繊細で絶望しかけました。こんなの続けられる集中力があるのかしら、と。

森田:大丈夫だよ、一人じゃないから。塩原さんがいるから。

松本:そうなんですよねー 非常に助けられてます。

森田:塩原さんは可愛いですねぇー

松本:もっと可愛いところを今日、台詞合わせしながら知ってしまいました。

森田:そ、そ、そーなの??うわぁ〜、いいなぁ!

松本:私だけに見せるのはもったいないやつ!

森田:最近、また新たな光が見え始めたよね!木下と祐介に。

松本:どうなるか楽しみです。

南出:お客さんにも、俳優が感じてる位の切実さが伝わると、ほんとたまらん作品になると思う。

早く見たい。たまらん気分になりたい。自分の本でキュー―となって泣きたい。わくわく。

松本:ほんとにもうたまらんですよ!ちゃんと感じて伝染させたいですね。

森田:南出さんの想像をはるかに越えるやつ、飛び出してますよ。私、見ながら時々泣いてる。

松本:あやさん泣いてるの?

森田:実はね。2回くらいあった、そんな時が。ほんとに客席まで伝染させたいねぇ。ああああ、稽古したい!!

松本:稽古したいーーー!

森田:実はね、私南出作品に出演するなら一番やりたいの、木下なの。

松本:なぬ!聞かなきゃ良かった、、

南出:期待を背負ってますねぇー

森田:だけど、今松本さんがやってる木下が本当に良くて、ちょっと嫉妬してる。

松本:やめてください!私誉められると落ちるタイプなので!

森田:『天気予報を見ない派』は、本当にお気に入りのセリフが多いんです。処女作にこれを書くって、南出さん天才ですね。

南出:何で急に褒めてくれんの?!

森田:え?いつも褒めてるでしょ!松本さんお気に入りのセリフある?

松本:ありますよ!めんどくさいではなく、「めんどうくさい」、とか、あえてちゃんと言う台詞はこだわってます。本当に味わい深い。。

森田:この作品の台詞は本当に一言一句変えたくない!全部そのままがいい。あの味はあのセリフじゃないと味わえないからね。

松本:言いながら凹む台詞が結構あって、それが苦しいけど良いんですよね。

森田:あーそーだね。自分が言った言葉に自分が傷つくこと多いよね、木下は。だけど、それが祐介の原動力になるんだよね。

松本:ああいうハプニングとか、ああいう行動とか、本当に素敵なんだよなあ。

森田:私、現実で好きな人とあんな時間過ごしたら、多分もう死んでもいいと思っちゃうな。

松本:わおー!

森田:木下にとって、祐介はそのくらい大切な人なんだと思う。

松本:軽薄な愛情を注がれるほど、近づきたくなるけど、でも盛大に傷つく、という。大切度をもっと上げたいなー!

森田:そこが上がると、またいろいろ変わりそうですね。

南出:人と人の近寄りがたい距離と、近寄っていい距離のバランスを感じるんです。結局他人を、前向きに自覚することが、希望というか、強さというか。

森田:一緒にいるとか、いないとかじゃなくて、これから木下が生きていくのに必要な人なんだと思います。

南出:あれだけストレートに自分の恋愛観というか人生観だけを綴った本は、この作品だけです。あとは、僅かながらでも、社会や世界との関わりが切れなくなっている。恋愛観や人生観のみで本を書くことに物足りなさや怖さがでてきたから。 だからそんな技巧や戦略のないところで、それに全てを賭けてるところが、今でも自分にとって、特別尊い作品なんです。

松本:それを聞いて更に更に作品が愛しくなりました。

森田:人間愛なんですよね、もう。

松本:人間愛!

南出:人間の距離をそのまま掬った話。

森田:木下が祐介を好きなのは、人間愛!恋愛をしたいんじゃないんです、あの子は。

松本:すごく納得です。

南出:そう、今少しだけ支えてほしい。ずっこけかけたから。で、支えてもらってまっすぐになったら、また、1人で歩いて行ける。節度ある依存なんです。

松本:節度ある依存、てすごいなあ。。

南出:27のときの本だけど、その辺の感覚は今もあんまりかわらないし。当時は自分だけかなあと思ってた。

松本:そうなんですよ。やっていて結構実感として分かることがあるんですよー。

南出:戯曲の中では言葉にはなっていない感情を、演技の中で俳優が補ってくれて、上演をする中でお客様が理解を示してくれて、自分にとっては、ひとつの、救いになっているんです。

森田:本当に言葉じゃないんですよね、この二人の物語は。

松本:南出さんの気持ちが成仏できたらいいね、って塩原さんと話しました。

南出:あ、ありがとうございます・・・ほんと、有難い。

森田:忘れようとしてたのに、思い出しちゃって、泣いちゃうんじゃない。泣かないか。笑

松本:むしろ、深める、みたいな?覚醒?

南出:泣いちゃう。 自覚してなかった感情に触れられて。

森田:多分、祐介はこの後、一生木下との思い出の中に生きることになるのかな。人生で最も特別な普通の日。でも特別な日だって気がつくのが遅いんだよね、祐介は。

南出:多くの男は、特に僕は鈍感だからねぇ。そりゃ祐介も鈍感さー。よくもまあ、それだけ鈍感で女の台詞書くよねって、むっちゃ言われたもん。当時の彼女にも、劇団員にも。

森田:でも、彼女これ読んだら嬉しいよなぁ~。この、モテ男が!

南出:モテた試しはないけどね。 モテる奴全員死ね!みたいな、コンプレックスは、そこそこある。

森田:最後に、松本さん、祐介に一言

松本:ごめん!かも。

森田:おおお!なるほど。

松本:ありがとう、の裏返し。

南出:おもろいです、それ。

森田:劇場で松本さんの「木下」、感じて頂けるといいね。

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